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神宿

【神宿1stアルバム発売記念】作曲家・ながいたつインタビュー「自分にとっても勝負でした」

2015年12月27日、神宿の1stアルバム『原宿発!神宿です。』が発売される。

冒頭のOvertureを除く、このアルバムの全楽曲の作詞・作曲・編曲を手がけたのが、ながいたつだ。神宿の発足当初から楽曲面を全面的に支え、ともに成長してきた彼は、12月9日発売のAKB48「唇にBe My Baby」に収録された「あまのじゃくバッタ」の作曲・編曲をつとめるなど、音楽家としても確実にキャリアを積みつつある。

そんな彼に、今回のアルバム及び、神宿との歩みについて話を聞いた。

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【とても満足のいくアルバムになりました】

-今回のアルバムは全曲ながいさんの曲(作詞・作曲・編曲)ですね。

ほとんど全部好きなようにやりたいままにやらせて貰えました。それはすごい恵まれていることだと思うし、一曲ずつ人生勝負処だと思って必死に作ってきたものがアルバムにまでなったのは嬉しいですね。とても満足のいくアルバムになりました。

作家の坂口安吾が「創作は自分の内にある才能(必然性)と外からの偶然性が合わさった時にできる」というような話をしていて。本当に良いものは自分の力だけではできないと思うんですよ。類まれなる才能をもった神宿のメンバー5人とそれを発掘してきた2人のマネージャーと、7人がデビュー以来作曲のもととなる良い素材を僕に提供し続けてくれたからこそ作れたものだと思っているので、とてもとても感謝しています。

自由度の高い社風(笑)も神宿運営の大きな魅力ですね。たとえば、普通の地下アイドルグループなら「あの娘にばれるような・・・」みたいな曲を作ったら、もっとBPMを早くしてアゲアゲにしてくださいとかってなって、曲調変えられちゃうんですよね。でも、神宿だとそのままやらせてくれちゃう(笑)。

-あの曲をやるようになってから、メンバーの表情が変わったと聞きます。

彼女たちの感性はホントに豊かで素晴らしいです! まだまだ眠っていますが(笑)。新たな一面を少し引き出せたとしたら、それで彼女たちの表情が変わってくれているのだとしたら嬉しいですね。

-アルバムには新曲の「僕らは愛を信じている」も収録されます。

今回もいい曲に仕上がったと思います。脱アイドルソングでアーティスト神宿へ向けた第一弾! 歌唱力はまだまだですが(笑)。「愛」を歌いますので、お楽しみに。すごく自信のある作品だし、いまの時代、YouTubeが一番多く人に聞いてもらえる場なので、いつかPVを作ってもらって、より多くの人に聞いてもらえたらと思います。

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【とにかく彼女たちから感じるパワーが圧倒的だった】

-神宿の出会いから振り返ってもらっていいですか?

はじめて神宿マネージャーの2人に会ったとき、すごく若くてびっくりしました。それで、デビューワンマンが近いので、僕の持ち曲ですぐにレコーディングするぞとなって。メンバーのことは会うまで全然期待してなくて。「どうせ大したことないでしょ」とか思いながらレコーディングスタジオのドアを開けたのを覚えてますけど、そこにとんでもないかわいい子が5人いたのでびっくりしました。逆に「おいおい、この曲のクオリティーで大丈夫か?」と思ったのが出会いですね。

最初に持って行った曲が「はじまりの鐘を鳴らせ」で、歌詞は神宿用に書き換えて。それから10日間で3曲準備しました。「ビ・ビ・ビ♡」もすでに作ってあった曲に神宿用に歌詞を書いて。「KMYD」は初めて一から神宿用に作った曲で、レコーディング当日の3時間前くらいに歌詞ができたんですよね。これは自分にとっても勝負でした。自分自身が成長していくためにも逃しちゃいけないチャンスだと。

-彼女たちを一目見て、勝負と感じたんですね。

それは会ってすぐ感じましたね。見た目のかわいさだけじゃなくて知性と品格がありましたね。感性もとても豊かで。人のことも気づかえるし、思いやりや謙虚さもある。

人って上辺だけではなく、そういう内面に惹きつけられると思うし、これは行けるなと。運営の2人も若くて自由にやらせてもらえるんだけど、そこで自分が好き勝手にやるんではなくて、彼らと一緒に作っていこうと。神宿は5人のメンバーと2人のマネージャーがセットで一組なので。5人だけじゃなくて、7人を見て魅力を感じたところはありますよね。

2013年頃から発注を受けて曲を作るっていうことをやり始めたので、こうやって1つのグループに継続的に楽曲を提供していくというのは初めてです。ただ、それも結果的にという感じです。最初の3曲を作った時点で、次は他の作曲家に頼むとか、お互いに違う選択肢もあったわけですから。

【曲を作っているとどんどんスケールが大きくなっていく】

-最初の3曲は9月28日のデビューワンマンで披露。その次に作った曲が12月21日に初披露した「全開!神宿ワールド」ですね。

曲を作っているうちに、どんどん色んなアイデアが出てきて、どんどん曲のスケールが大きくなっていきました。酔っ払ってるときに「子豚の国に君を連れてきたい」の歌詞を思いついたり、クイーンのオマージュを入れたり、神宿7人の潜在能力の高さに引っ張られて出来上がったのが「全開!神宿ワールド」ですね。

-続いてが、2月1日のワンマンで披露された「あの娘にばれるような・・・」と「ぱらしゅ〜と☆らぶ」。

「全開!」が出来たんだから、次はやりたいことやろうと思って地下アイドルらしからぬバラードに。「あの娘に」は、私と優柔不断な彼と彼の彼女の3人の関係性の歌で。長年そういう物語の歌詞を書いてみたかったんですけど、スキルが足りなくてなかなか書けなかったんですよ。実際、歌詞はとても苦労したんですけど、去年のクリスマス頃、手塚治虫のドキュメンタリーとか見て、テンションを上げながら缶詰になって書きました。自分にとっても過酷な挑戦だったんですけど、神宿はそれだけの価値がある子たちだと思うので、完成できてよかったです。人生最高のクリスマスになりました。

「ぱらしゅ〜と」は、「今回の神宿はPerfumeだな」って言われるような曲を、あえて作りました。「KMYD」と「全開」がわかりやすい自己紹介ソングだったのに対して、「あの娘」と「ぱらしゅ〜と」は彼女たちの幅を広げる楽曲ですね。「あの娘」は、もっと彼女たちの歌のスキルが上がったら、さらに歌の意味が聴き手に伝わり、より多くの人に受け入れられていくと思います。

この2曲をお披露目したあと、マネージャーの2人と飲んだときに「『全開』みたいに一発で盛り上がれる曲をもう一曲ください」って言われて。「それどんだけハードル高いか分かってる?」「君たちもそれ言っただけの責任とってよ?」と言ったのを覚えてます(笑)。かなりプレッシャーでしたが、3月28日のLIQUID ROOMでのイベントの日に「必殺!超神宿旋風」を初披露しました。

その頃から、ファンや関係者の方から「音が薄い」って言われるようになったんですよ。言われて腹も立ったんですけど、そんなことないだろ!って。でも、ファンの方の意見は、誰に言われるよりもダイレクトな生の声で、やはり「薄い」んだよなと、真摯に考えなくちゃいけない意見だなと。そしてそれは端的に言えば、メジャークオリティを出せと言われているんだなと、思いました。そこから何日も寝込んで考えて、しがみついて踏ん張って、何とか今の神宿の音を作っていきました。

でも、そうやって神宿を必死で作り続けてきたから、今回、AKB48に提供した楽曲でも、編曲まで自分でやらせてもらえたと思うんです。編曲は、AKBさん側の編曲家さんがやるケースが多いんですけど、自分でやりたいというのを認めてもらえて、それは自分にとっても大きかったですね。この曲を作ったのは2年前なので、その時点では編曲までは絶対できなかったと思うんです。だけど、その間に僕は神宿と出会って成長し、8曲連続シングルを作り終えた時点で今回の話が来た。やるべきことをしっかりやることが、次のチャンスを呼ぶと改めて思いました。

【そろそろ神宿には「愛」を歌ってもらいたい】

-そして、7月に披露した「Summer Dream」。

ぼくはロマンチックなものが好きで、実際の高校生だって現実には体験してないような、超現実美の世界を描きたかったんですよ。「夢見てるような夏の幻、君の今を僕はこの目に焼き付けたくて」とか、ちょっと泣きたくなるくらいセンチメンタルで、夏が匂ってくるような歌詞が自分では書けたなと。

-で、新曲が「僕らは愛を信じている」ですね。

昔って「ALWAYS 三丁目の夕日」じゃないですけど、戦争が終わって豊かになって、世の中どんどん幸せになっていくとみんな信じていたと思うんですよ。でも、いまはこれから世の中がどんどん幸せになっていくなんて信じている人だれもいないじゃないですか。そういう世の中で、何を信じればいいかというときに、もういちど「愛」を信じようよと、やっぱり「愛こそすべて」だって。そういう意味を込めて、そろそろ神宿には小っ恥ずかしいくらい「愛」を歌ってもらいたいなと思って作りました。

【今後どうなっていくかは、すべて自分たち次第】

-1年ちょっと、神宿のメンバーと一緒にやってきて、いかがですか?

一つ危険だなと思うのは、まだ歌とかダンスとか基本的なスキルが追いついていないうちに大きくなりすぎていることで、そこはちょっと危ないなと思っています。逆にその部分さえ追いついてくれば、あれだけの魅力を持った子たちなので、自然と大きくなっていくんじゃないかと。調子に乗ったりはしていないと思うけれど、普通は1年でこんなところまでは来られないわけで、そこは常に謙虚にやっていかなきゃいけないなと。

アルバムとしては、冒頭のOvertureは僕が作った曲ではないんですけど、それも含めて全10曲素晴らしいアルバムになったと思うので、ぜひ多くの方に聴いてもらいたいですね。自分にとっては「人生の一枚」になるアルバムですし、これから神宿を知る人たちが、このアルバムを原点として聴いてもらえるようになったら、とても素敵だなと思います。

これは、これから僕自身が成長していく上でも、神宿の5人と2人にも言えることなのですが、なにか特別なことをやるのではなくて、いまやるべきこと、できること、それをきっちり全て丁寧にやっていくことだと思います。いま身の丈にあった宿題を一つ一つきっちりやっていくこと。それが大事なんだと思います。辛いことも多いと思うけど、与えられた「今」に感謝して、わくわくしながら楽しんで「よーし!やってやるぞ!!」と。彼女たちには、無限の可能性があると思います。今後どうなっていくかは、すべて自分たち次第ですね。

神宿1stアルバム『原宿発!神宿です。』
01 Overture
02 KMYD
03 全開!神宿ワールド
04 あの娘にばれるような・・・
05 ビ・ビ・ビ♡
06 必殺!超神宿旋風
07 僕らは愛を信じている(新曲)
08 ぱらしゅ〜と☆らぶ
09 はじまりの鐘を鳴らせ
10 Summer Dream
※2015年12月27日発売。定価3000円。

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